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国有企業のレイオフ増加や大学生の就職難を受け、二○○九年の失業率見通しの大幅な上方修正の可能性が懸念されているが、「世界の工場」から吐き出された出稼ぎ労働者たちの状況は、雇用の悪化に一層拍車をかけかねない。
建てのB株市場を除いて、人民元建てA株市場への投資がQFII(適格海外投資家制度)という決められた投資枠のなかでしか認められていない。
閉鎖的な中国株式市場がなぜ世界同時株安の津波から逃れられなかったのか。 香港市場がその感染ルートの役割を果たしたのである。
香港市場には数多くの中国企業(H株)が上場しているが、上海市場にも同時上場している銘柄は少なくない。 香港市場がグローバル市場であるのに対し、上海市場がローカル市場であるという実状から、同じ銘柄であるにもかかわらず、上海市場の株価は割高となっている傾向がある。
両市場の間では裁定が働かないが、香港市場で同一銘柄が大きく売られ、その情報が瞬時に上海市場に伝わるにつれ、強気一辺倒の国内投資家に心理的なダメージを与えた可能性は否定できない。 ニ○○八年ニ月末の上海と深川の両株式市場の流通時価総額は前年末に比べてそれぞれ三・三兆元と一・六兆元減少し、単純計算すると、一人当たりの投資家が四・九万元の富を失った。
これはニ○○七年の都市部一人当たりの可処分所得の三・五倍に相当する規模だ。 個人消費の統計をみると、衣類や食品など「基礎的支出」がほとんどである小売総額は依然順調に拡大しているが、乗用車、液晶テレビ、住宅、海外旅行など、高額商品やサービスの売れ行きが冷え込んでいる。
中産階級の問では「逆資産効果」が広がり、個人消費を牽引するパワーが急速に低下していることが分から、この三指数はほぼ同じような急落傾向を辿ってきたことが分かる。 換金を急ぐ欧米の投資家が香港株を投売りした結果、H株が暴落し、その影響が上海A株にも波及したという構図である。
一方、株式バブルの崩壊による実体経済へのダメージについて、「逆資産効果」がよく取り上げられる。 中国の場合、株式市場の歴史がまだ浅いため実証研究は難しいが、今回の株式下落による個人消費への影響は小さくないはずだ。
二○○八年二月末時点で上海と深川証券取引所に開設した証券取引口座数が合計一億を超えており、株式投資人口は全人口の約一○%を占めている。 しかし、所得水準や教育レベルなどから考えれば、その一億に達する株式投資人口のほとんどは都市部に分布しているのではないかと考えられる。
休眠口座や重複口座などの指摘もあるが、都市部の中では五人に一人が株式投資を行っており、なおかつ資金に余裕のある人が圧倒的に多いことから、株式バブルの崩壊が、台頭しつつある中国の中産階級に壊滅的な打撃を与えた可能性は排除できない以上、輸出セクターを中心とする雇用危機、および資産バブルの崩壊に起因する「逆資産効果」というこの二つの経路から、グローバル金融危機による中国経済への影響を検討してきた。 二○○八年夏あたりから、閉鎖や夜逃げが増えるなど、「世界の生産工場」の異変を示唆する兆候が表れ、それを察知した中央政府の関係者も沿海地域を頻繁に視察するようになった。
しかし、北京オリンピックの成功が最優先課題であったこともあって、政府はすぐに対応策の実施に応じなかった。 九月一五日、中秋節という国民休日にもかかわらず、中国人民銀行は突然貸出基準金利と預金準備率の引き下げを発表した。
貸出基準金利の引き下げは二○○二年二月二一日以来、六年七カ月ぶりのことである。 L・B証券の破綻による上海および香港市場への影響を和らげるのが狙いだが、パラリンピックの閉幕が近づくにつれ、七月から敷かれてきた「五輪体制」を解除し、経済問題を最優先するという政府姿勢の変化がうかがわれる。
二○○八年一○月、国家統計局は第3四半期の実質経済成長率が前年同期比九%増と発表した。 政府関係者は「中国経済のファンダメンタルズは依然健全だ」と必死に強調したものの、成長率が約三年ぶりに二桁を割り込み、中国も金融危機の影響から免れなかったという衝撃がグローバル市場で走った。
ニ月九日夜、中国政府は今後二年間、総投資規模が四兆元の景気刺激策を発表し、その二週間後、地方政府が発表した景気対策の投資額はその四・五倍に達した。 この四兆元規模の景気対策は、過熱景気の沈静化に取り組んできた中国政府が景気浮揚へと大きく方針転換する契機が訪れた。
一方、二月九日夜に発表された景気刺激策には一○項目の対策が盛り込まれたものの、真水に相当する新規投資額がどのくらいを占めているのか、必要な資金をどのように調達するのかなどの問題点が多く残り、当初、その実効性は大変疑問視されていた。 しかし、発表されたタイミングから考えれば、中国政府がなぜ荒削りの景気対策をあえて発表したのか理解できるかもしれない。
ニ月一五日、ワシントンでG別金融サミットの開催を控え、麻生首相は日本がIMF(国際通貨基金)の財務体質強化のため最大で一○○○億ドル(約一○兆円相当)を外貨準備から拠出し、中国など新興国の出資比率と発言権の拡大を求める意向を示した。 また、新聞の報道によると、二月二二日にリマで開催されたAPECで日中首脳会談が行われた際、麻生首相は胡錦涛総書記に対し、「中国のような外貨準備を多く保有している国の参加を歓迎したい」と中国側に発言を促したが、K氏から直接の返事はなかった。
しかし、二月九日夜の四兆元の景気対策の発表からも明らかなように、外貨準備高を使ってIMFに出資するより、国内の景気対策に専念することを意味する中国政府のメッセージが、このとき既に発信されていたのである。 また、事実上、中国の四兆元景気対策が世界各国の景気対策ブームに火をつける役割を果たしたといえる。
ニ月の外交イベントが一段落した後、中国の経済政策を司る国家発展改革委員会は記者会見を数回開催し、四兆元の景気対策の詳細を解き明かし始めた。 まず、四兆元の使途については、鉄道、道路、空港、送電網には一・八兆元、四川省の震災再建に一兆元、農村部の民生、社会基盤整備に三七○○億元、環境保護に三五○○億元、公共住宅建設にニ八○○億元、研究開発に一六○○億元、文化教育事業に四○○億元といった内容となっている。
今後の経済のけん引役として、過剰生産能力の更なる拡大に直結しにくいインフラ投資が投資の主役に躍り出てくると考えられる。 今回打ち出された四兆元の景気対策の大半はインフラ整備関連であり、短期的には公共事業の拡大を通じて雇用機会を増やす効果があるが、長期的には農村部の社会基盤整備、都市化の進展に寄与する「一石二鳥」の対策だと期待できる。
中国政府が迅速に景気対策を打ち出した背景には、一九九七年のアジア通貨危機への対応が生かされていることがある。 また、その資金調達について、四兆元のうち、一・一八兆元は中央政府による拠出(財政乗数は二・四倍)、残りは地方政府の出資や銀行融資などによって賄われる。
不動産バブル崩壊の影響で地方政府の財政収入が大幅に悪化したため、中央政府は二○○九年度に建設国債を増発し、調達した資金を地方政府に再融資することが検討されている模様だ。
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香港市場には数多くの中国企業(H株)が上場しているが、上海市場にも同時上場している銘柄は少なくない。 香港市場がグローバル市場であるのに対し、上海市場がローカル市場であるという実状から、同じ銘柄であるにもかかわらず、上海市場の株価は割高となっている傾向がある。
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これはニ○○七年の都市部一人当たりの可処分所得の三・五倍に相当する規模だ。 個人消費の統計をみると、衣類や食品など「基礎的支出」がほとんどである小売総額は依然順調に拡大しているが、乗用車、液晶テレビ、住宅、海外旅行など、高額商品やサービスの売れ行きが冷え込んでいる。
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一方、株式バブルの崩壊による実体経済へのダメージについて、「逆資産効果」がよく取り上げられる。 中国の場合、株式市場の歴史がまだ浅いため実証研究は難しいが、今回の株式下落による個人消費への影響は小さくないはずだ。
二○○八年二月末時点で上海と深川証券取引所に開設した証券取引口座数が合計一億を超えており、株式投資人口は全人口の約一○%を占めている。 しかし、所得水準や教育レベルなどから考えれば、その一億に達する株式投資人口のほとんどは都市部に分布しているのではないかと考えられる。
休眠口座や重複口座などの指摘もあるが、都市部の中では五人に一人が株式投資を行っており、なおかつ資金に余裕のある人が圧倒的に多いことから、株式バブルの崩壊が、台頭しつつある中国の中産階級に壊滅的な打撃を与えた可能性は排除できない以上、輸出セクターを中心とする雇用危機、および資産バブルの崩壊に起因する「逆資産効果」というこの二つの経路から、グローバル金融危機による中国経済への影響を検討してきた。 二○○八年夏あたりから、閉鎖や夜逃げが増えるなど、「世界の生産工場」の異変を示唆する兆候が表れ、それを察知した中央政府の関係者も沿海地域を頻繁に視察するようになった。
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貸出基準金利の引き下げは二○○二年二月二一日以来、六年七カ月ぶりのことである。 L・B証券の破綻による上海および香港市場への影響を和らげるのが狙いだが、パラリンピックの閉幕が近づくにつれ、七月から敷かれてきた「五輪体制」を解除し、経済問題を最優先するという政府姿勢の変化がうかがわれる。
二○○八年一○月、国家統計局は第3四半期の実質経済成長率が前年同期比九%増と発表した。 政府関係者は「中国経済のファンダメンタルズは依然健全だ」と必死に強調したものの、成長率が約三年ぶりに二桁を割り込み、中国も金融危機の影響から免れなかったという衝撃がグローバル市場で走った。
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しかし、二月九日夜の四兆元の景気対策の発表からも明らかなように、外貨準備高を使ってIMFに出資するより、国内の景気対策に専念することを意味する中国政府のメッセージが、このとき既に発信されていたのである。 また、事実上、中国の四兆元景気対策が世界各国の景気対策ブームに火をつける役割を果たしたといえる。
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今後の経済のけん引役として、過剰生産能力の更なる拡大に直結しにくいインフラ投資が投資の主役に躍り出てくると考えられる。 今回打ち出された四兆元の景気対策の大半はインフラ整備関連であり、短期的には公共事業の拡大を通じて雇用機会を増やす効果があるが、長期的には農村部の社会基盤整備、都市化の進展に寄与する「一石二鳥」の対策だと期待できる。
中国政府が迅速に景気対策を打ち出した背景には、一九九七年のアジア通貨危機への対応が生かされていることがある。 また、その資金調達について、四兆元のうち、一・一八兆元は中央政府による拠出(財政乗数は二・四倍)、残りは地方政府の出資や銀行融資などによって賄われる。
不動産バブル崩壊の影響で地方政府の財政収入が大幅に悪化したため、中央政府は二○○九年度に建設国債を増発し、調達した資金を地方政府に再融資することが検討されている模様だ。
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